企業の営業活動は、今やSFASales Force Automation)によって見える化されています。
誰が、いつ、どの顧客にアプローチし、どのフェーズにあるのか。
それを数値で管理し、改善することが営業のあるべき姿として定着しました。

しかし──
パートナー(代理店)に対して行っている支援活動は、同じように見えているでしょうか?

たとえばこんな疑問、思い当たりませんか?

  • あの代理店に資料を送ったけど、ちゃんと見てくれたのか分からない
  • 動画研修のURLを配ったが、誰が視聴したか分からない
  • キャンペーンを案内しても、反応がある代理店とない代理店がバラバラ
  • 「やってるつもり」なのに成果につながっていない気がする

それは、見えていない支援のせいかもしれません。

「営業」と「支援」は、なぜここまで差がついたのか?

SFAが日本に浸透してきたのは、およそ1520年前。
「営業の見える化」が叫ばれ、訪問記録、商談フェーズ、受注確度といった**“業務の定義とログ化が制度化**されていきました。

一方、「パートナー支援」には、いまだ共通の定義がありません。

  • どこまでが支援なのか?
  • 支援は誰の仕事なのか?
  • 成果との関係はどう捉えるのか?

その曖昧さが、なんとなくやってるけど、成果が測れない活動を生み、
やがてそれは、「投資対象として見なされない」という構造にまで繋がっています。

支援が“盲点”になる瞬間

ここで、実際の現場にありがちな状況を考えてみましょう。

ケース①:資料は送った。だが、その先が分からない

新製品の販促資料を各代理店に送付。
「メールで共有済み」という安心感のもと、1週間後にフォローアップの電話を入れる。

「まだ見てないですね。ちょっと忙しくて」

もしくは、「あ、それって営業部の方に届いてますかね?」

つまり、「送ったかどうか」ではなく、届いたか、伝わったか、動いたかが分からないのです。

ケース②:成果の出る代理店は、なぜ成果が出るのか分からない

A社は好調。B社は鳴かず飛ばず。
同じ支援をしているのに、どうしてこうも差が出るのか。

属人的な判断で「A社はやる気があるから」「B社は体制が弱いから」と納得したふりをしていませんか?

本当は、「支援の消化率」が違うだけかもしれません。

  • A社は、資料をすぐに開封していた
  • トレーニングを部署単位で完了させていた
  • 問い合わせも自社でFAQを活用して自己解決していた

このような行動の差を、支援側では見えていないことが多いのです。

支援活動の“見える化”が生むもの

SFAが営業を強くしたように、支援活動にも同じ進化が必要です。

以下のようなことが、もし可視化できたらどうでしょうか?

  • 「資料を読んだか」「動画を見たか」「誰が何を完了したか」が一目で分かる
  • 「成果が出ている代理店」の行動パターンを抽出し、他に展開できる
  • 「問い合わせが多い=どこでつまずいているか」がナレッジとして蓄積される

そうなれば、「支援してるはずなのに成果が出ない」という悩みは、やる気ではなく構造の問題として改善できるようになります。

結論:「支援」は“管理できないから、評価されない”領域だった

営業と違って、支援活動はこれまで仕組みに乗ってきませんでした。

その結果、

  • 支援の量も質も定量化できず
  • 成果との因果関係も不明確で
  • 結果として「そこにコストをかけても仕方がない」と見なされる

これは、頑張っているのに評価されないという、現場にとっては理不尽な構造です。

最後に──支援を“評価される業務”に変えるために

いま必要なのは、「支援を成果に変えるための、見える仕組み」です。

SFAが営業を変えたように、
支援活動も、ようやく見える時代に入りつつあります。

「支援はやってる。でも、成果が出ていない」
もしそう感じたら、それは支援が見えていないからかもしれません。