
仕組みをつくっても、運用されない──代理店支援を“社内で回す”ための設計論
設計まではうまくいった。
でも、それを“使ってくれない”という壁にぶつかっていませんか?
本部で丁寧に支援施策をつくり込んだとしても──
「営業が情報を届けてくれない」
「ツールはあるけど、現場では使われていない」
「支援テンプレートを渡したのに、“それどこにあるんでしたっけ?”と言われる」
──そうした“運用の不在”に直面することは、少なくありません。
代理店支援は、本部だけでは完結しない。
むしろ、「社内の営業・推進担当が使いこなしてこそ、機能する」ものです。
この記事では、“仕組みを回す側の社内設計”にフォーカスを当てていきます。
支援施策は「納品」ではなく「運用」で価値が生まれる
本部がどれだけ優れた支援設計をしても、
それを現場が使いこなせなければ、支援は“在庫”になります。
チャネルビジネスにおいてよくあるのは:
- 教材やツールがあるのに使われない
- 営業がパートナーの動向を把握せず「とりあえず送る」だけになる
- 定例会の資料がそのまま“読まれないファイル”として埋もれる
──こうして、本部の努力と現場の温度感にギャップが生まれるのです。
問題は、“設計して終わり”の構造にあるとも言えます。
「使われる」仕組みにするための3つの設計視点
【1】営業やCSに「役割」を設計する
「支援施策を届ける」のは本部の仕事ではありません。
現場の営業・CSが何を持ち、何を伝えるかを役割として明確化すべきです。
※CS:Customer Success
担当者 | 役割の例 |
---|---|
本部 | 支援施策の設計・コンテンツ作成・データ提供 |
営業 | 支援コンテンツの展開・フォローアップ・初動支援の進行 |
CS/パートナー担当 | 関係維持・案件支援・定着支援・再エンゲージの実行 |
→ “誰がやるのか”を曖昧にしないことが、運用の第一歩です。
【2】社内で「支援KPI」を持つ
代理店支援は、「やった・やらない」でなく、“成果の前兆”に注目したKPI管理が有効です。
たとえば:
支援KPIの例 | 意味 |
---|---|
トレーニング受講完了率 | パートナーの立ち上がり速度 |
資料開封率・動画視聴率 | 情報が届いているかの可視化 |
営業による施策説明率 | 現場が支援を“伝えられているか”の確認指標 |
→ 数字で追える設計を入れると、「使っていない」が放置されなくなります。
【3】「営業が動きたくなる仕組み」にする
現場が動かないのは、支援内容が分かりづらい/手間が多い/“自分ごと化”されていないことが理由です。
そこで重要なのが:
- 営業向けの「パートナーフォルダ」化(必要な資料だけを集約)
- 案件別の「おすすめ支援パターン」テンプレート提供
- 支援の成果が営業評価やCSレポートに連動する仕組みづくり
パートナーの前に、まず社内を巻き込む。
それが、チャネル施策が成果に直結するための最低条件です。
仕組みだけでなく、「営業の行動を支援する」設計にする
本部がすべきことは、
「営業にやってもらう」ではなく、「営業が自然と動くようになる設計」です。
つまり:
- 本部の支援=“パートナー支援”だけでなく“営業支援”でもある
- 営業が伝えやすい・説明しやすい形に落とし込むのが設計の本質
パートナーの前に、まず社内を巻き込む。
それが、チャネル施策が成果に直結するための最低条件です。
最後に:「仕組みを回す仕組み」がなければ、すべては絵に描いた餅になる
PRMONEのような支援プラットフォームが整備されても、
それを運用する“人の設計”がない限り、成果は出ません。
- 営業やCSが動ける情報設計
- 社内向けKPIで使われている状態の可視化
- 支援が評価やレポートに繋がる仕組み
──「支援設計の支援」こそが、今の本部に求められている機能です。
仕組みを作るだけで終わらない。
“回る構造”まで設計してこそ、チャネル施策は動き始めます。
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