
成果が出る代理店は“立ち上げ方”が違う──オンボーディング設計の基本と実践ポイント
「登録したはずなのに、動かない代理店が多いんです」
代理店チャネルを拡大したはずが、
「実際に動いてくれるのは一部だけ」という現象に直面する本部は少なくありません。
「最初はトレーニングも案内したけど、その後は反応がない」
「販促資料も共有したのに、活用されている様子がない」
「登録後、結局一件も案件が出ていない」
──このままでは、開拓の成果が“名簿止まり”で終わってしまいます。
成果を出す代理店と、出せない代理店。
その差を生むのは、「センス」でも「やる気」でもなく、
“初動の立ち上げ設計=オンボーディングの違い”にあります。
成果は「支援の設計」で決まる。“育つ相手を育つように支援できたか”
本部はしばしば、「この代理店は優秀だった」と結果論で語ります。
しかし、その“優秀さ”は、たまたま本人たちの努力に委ねられていただけということも少なくありません。
本来であれば──
“誰でも成果を出しやすい初期支援の導線”が設計されているべきです。
それが「オンボーディング設計」です。
オンボーディング設計の3原則
【1】“届けて終わり”ではなく“行動させる”ことを目的にする
- 資料や動画を“配信する”だけでは支援とは言えません
- 「それを見た代理店が、何をする状態になっているか?」を明確に
→ 例:
資料配信 → ○ ではなく → 「資料を読んだうえで、提案トークを自社向けにアレンジできたか」
【2】初動は「詰め込みすぎず、明確に1ステップずつ」
- 教材やツールが多すぎると、何から始めてよいか分からない
- 最初の7日/30日/90日で“やるべきこと”を分解・ガイド化
→ 例:
7日以内 → ログイン+動画視聴
30日以内 → 初回提案+担当者面談
90日以内 → 案件登録またはキャンペーン参加
【3】行動ログを“可視化”し、支援の濃度を自動で切り替える
- 動いていない代理店にだけ、個別サポートを強化
- 自発的に動けている代理店には、自立型支援に切り替える
→ PRMプラットフォーム(例:PRMONE)を使えば
視聴完了/資料閲覧/問い合わせ発生などの履歴に応じて
支援フェーズを動的に変えることが可能
数を絞る勇気と、育てきる戦略の両立
「選ぶ」とは、誰かを選ばないことでもあります。
そして、少数を選ぶならば、選んだ相手に対しては育成責任が生じます。
- 登録して終わりではなく、オンボーディングをきちんと設計する
- その代理店が成果を出せるよう、支援導線を整備する
- 成果が見えたら、支援対象から“共創対象”へと昇格させる
数を減らすのではありません。
“成果を出せるチャネルにする”ための再構築なのです。
オンボーディング設計のステップ例
以下は、成果を出すための実践的なオンボーディング導線設計例です:
■ステップ1: 最初の行動を明示する
- 「この3つだけやればOK」というシンプルな初期導線
- 例:動画視聴/パートナーポータルへの初回ログイン/最初の資料請求
■ステップ2: 初回の成功体験を用意する
- 簡単な案件登録フォーム/トークスクリプトのテンプレート
- 「すぐに使えるもの」「すぐに動ける導線」で、動くハードルを下げる
■ステップ3: 定着の仕掛けを用意する
- 成果の小さな兆し(資料活用/問い合わせ)を拾って褒める
- 成果を出した代理店の行動と照らして「近づいている」感覚を持たせる
- KPIベースで“達成のプロセス”が見えるUI・メール連携なども有効
■ステップ4: 90日以内に“自立移行”可能な状態をつくる
- 情報提供やトレーニングが自走可能な構造に
- “本部からの支援がなくても回る”ための仕組み移行
成果が出る代理店は「たまたま動いた」のではない
支援の質が均質であれば、成果にバラつきは出にくくなります。
逆にいうと、成果のバラつきが激しいということは、“育て方が標準化されていない”証です。
オンボーディング設計とは、
成果の偶然性を減らし、“誰でもある程度は育つ”導線をつくる取り組みです。
本部の支援設計次第で、
「優秀な代理店」は、“再現可能な存在”になり得るのです。
最後に:「支援がうまくいった結果」として優秀になる構造を
パートナーは育てるものであり、
“最初の育て方”こそが、チャネル全体の質を決める起点です。
成果を出す代理店は、自発的だったのではありません。
最初に動きやすい支援が、偶然でも機能していたにすぎないかもしれないのです。
それを、構造として再現する。
オンボーディングは、そのための最も重要な支援設計です。
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