
チャネルパートナーのコンプライアンス、見えていますか?──PRMに求められる“支援と統制”の両立設計
「パートナーに最新資料を渡しているはずなのに、古い内容で提案されていた」
「教育動画は用意しているけど、誰が受講したかまでは把握していない」
「もし何か起きたとき、“ちゃんと教えていた”と証明できるのか?」
──そうしたモヤモヤを感じたことはありませんか?
これまでチャネル支援は「いかに売ってもらうか」を中心に語られてきましたが、
いま本当に問われているのは、「売ってもらう」ことと「逸脱させない」ことの両立です。
本稿では、チャネルパートナーのコンプライアンスを“見える化”しながら支援するPRMの設計視点について解説します。
なぜ今、“統制”がチャネルに求められているのか?
背景 | 説明 |
---|---|
情報の誤使用リスクの拡大 | 商品改定/法規制対応/社内方針変更が頻発している |
パートナーの発言が企業責任に | 「委託先が言ったことであっても」説明責任を問われる事例が増加 |
ESG・SDGsの視点 | 人権・労働・環境配慮などがバリューチェーン全体に求められる |
社内監査対応の強化 | 「教育していた証拠」「案内していた記録」が必須に |
製品を売る前に、“情報が伝わっていること”を管理できていないと危うい時代です。
チャネルにおける「支援と統制」のすれ違い
よくあるズレ | 背景にある問題 |
---|---|
資料は配っているが、誰が使ったか分からない | ダウンロードログが管理されていない |
教育コンテンツはあるが、受講状況が把握できていない | LMSが個別運用/代理店ごとの追跡ができない |
更新版を出しても、代理店が古い資料で提案している | 差し替え履歴や使用期限の管理がない |
問題が起きた時に「伝え ていた証拠」が残っていない | メールや口頭案内では証明できない |
PRMで統制を“支援の一部”として組み込む方法
【1】教育コンテンツを「完了・証明可能な形」で提供
- LMSでの受講完了ログの取得(誰が・いつ・何を)
- テスト形式で「理解度確認」→点数とログを保存
- 代理店別/担当者別の“コンプラ受講ステータス”を月次でチェック
👉 教育=送ること、ではなく“履歴に残すこと”まで含めて支援とみなす
【2】販促資料の「バージョン管理 × 使用ログ」連携
- 資料ごとに有効期限・更新履歴・閲覧状況を明示
- 閲覧ログが残る仕組み(代理店別/担当別)
- 古い資料を“検索できない/開けない”状態に設計
👉 「渡した」だけでなく、「使っていた」証拠が残る仕組みを
【3】“案内した・されてない”を防ぐ通知と証跡
- 資料更新・制度変更・キャンペーン注意事項の案内に、既読・クリックログを残す
- 通知を見た/未確認の代理店を可視化し、追跡可能に
- 重要項目には“同意チェック”や確認テストを設ける
👉 通知ログ+再確認の仕組み=後から問われたときの「守り」になる
【4】逸脱が起きた時に“対応が見える”フロー整備
- 逸脱事例の入力 → 本部通知 → 是正支援(教育/資料案内)の履歴をPRM上で管理
- “誰が・何を・いつ”支援したかが記録されるように
👉 トラブル時に、「この対応を取りました」と示せる設計に
最後に:“統制”は敵ではなく、“信頼されるチャネル”の基盤
チャネル支援は本来、売上を伸ばすためのものです。
しかし、いま求められているのは「売上とリスクを両立させるチャネル設計」です。
- 資料が正しく使われていること
- 教育が実施されていること
- 問題発生時にすぐ対応・証明できること
これらがすべて “支援”の一部として設計されているPRMが、
チャネル全体の信頼性を担保し、企業全体のリスクマネジメントに貢献します。
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