「なんとなく期待していた代理店が、全然動かない」

一方で、「あまり期待していなかったところが、意外と成果を出している」

そんな経験はありませんか?

「営業との関係も悪くないし、教育も受けてくれたのに成果ゼロ」
「紹介で繋がった代理店が、何も言わずに初案件を出してきた」
「担当者が変わったら、急に提案数が増えた」

──このように、代理店の動きや成果には見えづらい差があります。
そしてその正体は、言語化されていない成果モデルの有無にあります。

本記事では、成果を出す代理店に共通するパターンを成果モデルとして定義し、
社内やパートナーと共有可能にするための構造化手法を解説します。

成果モデルとは、「成果につながる行動・態度・条件の組み合わせ」である

成果とは、ただの結果ではなく、そこに至る複数の要素が重なったプロセスです。
以下は、成果が出る代理店に共通する典型的な要素です:

観点

成果が出やすい代理店の特徴

行動

教材を期限内に完了/資料を活用/提案回数が多い

関与姿勢

キャンペーン参加/定例会への応答/フィードバックがある

営業力

自社トークへのアレンジ/独自の販促資料を作成できる

組織条件

担当が固定/裁量を持っている/販売リソースが明確

こうした行動×姿勢×構造的条件が重なったとき、
成果が出やすい状態が整っていると言えます。

なぜモデル化が必要か?

以下のような属人化の罠を回避するためです。

  • 「誰に支援すべきか」が、担当者の主観に委ねられている
  • 成果の良し悪しを感覚で語ってしまう
  • 成功代理店のナレッジが再利用されない

モデルがあれば、
この代理店は伸びる可能性が高いという見立てを、社内共通言語にできます。

成果モデルの言語化:3つの構造化ステップ

【STEP 1】成果を出した代理店の行動・反応を洗い出す

  • 受注・案件登録・提案実績のある代理店を抽出
  • 教育受講履歴/資料DL数/キャンペーン参加履歴などを可視化
  • 「成果前の行動」に注目する(=前兆パターン)

【STEP 2】共通点を軸ごとに整理する

項目

教育の完了速度

フェーズ1(理解)を確認

提案アクション

フェーズ2(動き出し)を確認

関与継続

フェーズ3(提案)への接続速度を見る

定性面

担当者の裁量/過去の取引実績/業界特性

→ 3〜5軸程度に絞ることで、“説明しやすいモデル”になる

【STEP 3】「成功パターン」としてテンプレート化し共有する

  • 「こういう代理店は伸びやすい」というプロファイル化
  • 営業や本部が支援対象を決める際の見立ての基準にする
  • パートナー向けにも成果に近づくための行動指針として共有可能

成果モデルの活用ポイント:分類と優先順位づけ

成果モデルを定義すれば、次のような“戦略的支援”が可能になります:

分類

支援方針

モデルに近い代理店

支援集中。案件化や事例化の候補にする

一部の要素が欠けている代理店

ボトルネックを特定し、重点支援

モデルから外れている代理店

誰に何をどこまで支援するかを、構造的に判断できるようになります。

最後に:“偶然の成功”を“再現可能な支援”に変えるために

代理店との関係は、感覚的にもつれやすい領域です。
でも、成果が出る構造には、意外と明確な行動パターンがある

それを放置すれば、
「支援はしたが成果は出なかった」
「頑張ってくれたけど動かなかった」という感覚の反省で終わってしまいます。

成果モデルを言語化することで、チャネル支援は再現性のある戦略に変わります。

  • 選ぶ
  • 育てる
  • 見極める
  • 再活用する

すべての起点は、成果につながる行動を見える形にして、社内外で共有することです。