
テンプレートは“届け方”で差がつく──営業・代理店が使いたくなる展開設計とは?
「支援テンプレートはある。でも、現場では使われていない」
──この悩みは、多くの本部担当者にとって“あるある”ではないでしょうか?
「資料自体はすごくよくできてるのに、営業が送ってくれない」
「テンプレートを紹介しても、“あとで見ます”で終わってしまう」
「代理店に伝えたつもりが、結局“知らなかった”と言われた」
テンプレートは、「中身」だけでなく「届け方」まで設計して初めて、現場で機能する支援になります。
本稿では、“成果が出るテンプレート”を営業や代理店が自然と使いたくなるための展開設計について整理します。
なぜテンプレートは“届かない”のか?
テンプレートが活用されない理由は、質ではなく“届け方の構造”にあることが多いです。
● 「テンプレートがあること自体、知られていない」
→ 情報がポータルや共有ドライブに埋もれている
● 「使いどころ」が明確になっていない
→ どのタイミングで、どの案件に使えばいいか判断できない
● 「営業からの渡され方」で温度が決まる
→ テンプレートの“意義”が伝わらず、「ただの資料」と受け取られてしまう
“使われるテンプレート”にするための展開設計3原則
【原則①】 “導線”を明確にする(どこで・誰が・いつ渡すか)
- 【代理店向け】:教育動画の終了後に「おすすめテンプレート」表示
- 【営業向け】:商談管理ツールやMAの中で「案件フェーズごとに表示」
- 【本部対応】:支援定例で「今週の成果テンプレート」紹介 → 営業MTGで再連携
「探さずに届く/行動の流れに組み込まれている」状態が理想です。
【原則②】 “文脈”を添えて届ける(なぜ、今、これが必要なのか)
テンプレート単体ではなく、「これが今の代理店に有効な理由」をセットで伝えることが重要です。
例:
- 「今月のキャンペーンに反応のある代理店に、このテンプレートを使うと提案率が高いです」
- 「このテンプレート、〇〇社が活用して案件化したのでぜひ」
- 「この資料は“はじめて提案する代理店向け”に最適化されています」
「あなたのためのものだ」と思わせるだけで、受け取る温度が変わります。
【原則③】 “軽く使える”状態にする(重い資料は使われない)
- 編集可能なPPT/営業コメント付きPDF
- モバイル閲覧対応/コピー&ペーストしやすいトークスクリプト
- 「DL後すぐに提案できる」「3分で読める」「そのまま送れる」
行動ハードルを下げ、“まず使ってみる”を後押しすることがポイントです。
展開タイミングを“施策と連動”させると刺さりやすい
テンプレートは“単体”で渡すより、キャンペーン/動画/商材ニュースと組み合わせることで効果が高まります。
施策 | 一緒に届けるテンプレ |
---|---|
新商材の案内 | 提案トーク入り資料/初回提案ひな型 |
教育コン テンツの完了後 | 理解度を活かした初回営業用資料 |
キャンペーン展開時 | 限定オファー記載済テンプレー ト |
再エンゲージ対象向け | 動き出しを後押しする「軽い提案」テンプレート |
→ “学んだ直後”“動きたい瞬間”“旬なタイミング”に乗せるのが成功の鍵。
配布チャネルも使い分ける(1つの経路だけに頼らない)
- 営業経由:商談の流れで渡す(もっとも“温度”が乗る)
- ポータル掲載:探せる環境を整備(検索性・分類軸がカギ)
- 定期便/MA配信:営業から動かせない場合の自動化ルート
- 定例会や説明会:その場で使い方まで伝えることで、利用率が上がる
最後に:テンプレートは「中身」だけでなく「届け方」で成果が変わる
良いテンプレートでも、“届かなければ使われず、使われなければ成果は出ない”。
だからこそ、展開設計には3つの視点が求められます:
- いつ届けるか(タイミング)
- 誰が届けるか(営業/本部/MA)
- どう伝えるか(文脈と温度)
テンプレートは、仕組みと導線で“使われる資産”になります。
あなたの届け方が、成果の分かれ目になるのです。