テンプレートは「作ったあと」が勝負です。

前稿でお伝えしたように、
支援テンプレートとは「成果が出た施策の再現パッケージ」に他なりません。
ですが──

「このテンプレート、最近使われてないけど更新する?」

「結局どのテンプレートが成果につながってるのか分からない」

「営業は“前のテンプレートのほうが使いやすかった”と言っている」

このような声が出始めているなら、
テンプレート運用が“作って終わり”になっているサインです。
本稿では、テンプレートを“成果ベース”で評価し、使われる資産として磨き続ける運用設計の考え方を整理します。

なぜ“投資対効果”の見える化が必要なのか?

● 評価指標が曖昧なまま運用されている

→「どれだけ使われたか」や「どんな成果が出たか」が把握されていないため、改善できない

● 目的と対象がズレたまま展開される

→ もともとは“立ち上げ期向け”だったものを、“自立層”にもそのまま使っている

● 本部では良くても、営業や代理店が“使いにくい”と感じている

→ 構造的には優れていても、実務現場で定着していないケース

評価の基本:テンプレートの「使われ方」と「成果」を分けて見る

テンプレート評価は、主に以下の2軸で設計することが基本です。

評価軸

指標例

活用度(Use)

DL数/アクセス数/編集数/営業共有件数など

成果貢献(Effect)

提案件数/案件化率/初受注/問い合わせ減少など

高活用 × 高成果:再利用・標準化対象(◎)

高活用 × 低成果:構造再設計が必要(△)

低活用 × 高成果:訴求不足・活用導線を見直す(△)

低活用 × 低成果:撤退 or 対象見直し(×)

“成果が出た”だけでも、“使われている”だけでも不十分。両者の交差で判断することが重要です。

評価のために“最低限整えておくべきログ設計”

テンプレートごとに、以下のログを定期的に取得できるようにしましょう:

  • 利用代理店/営業名/ダウンロード日
  • テンプレ使用後の初回提案日・案件登録有無
  • テンプレ展開から〇日以内の成果KPI
  • 利用時の定性フィードバック(例:「使いやすい」「難しい」「アレンジが必要」)

「いつ、誰が、何を使って、どうなったか」が見えるだけで、改善サイクルは劇的に回り出します。

改善判断に使える“見直し基準”の例

項目

判断基準例

最終DLからの経過日数

90日以上未使用なら要見直し対象

成果貢献割合

案件化率が類似テンプレ平均の50%未満なら改訂検討

利用代理店のスコア層と の不一致

目的外利用が増えていれば対象の見直し

営業/代理店からの声

「古い」「資料が重い」などがあれば要修正

継続運用のポイント:「棚卸し」「統廃合」「バージョン管理」

  • 定期的に棚卸し(月1 or 四半期)
    • テンプレ一覧に“活用状況”と“成果ログ”を添えてレポート
  • 類似テンプレは統廃合
    • タイトルや対象が似通ってきたら統一・リネームで整理
  • バージョン管理を徹底
    • 「v2.1」「◯月改訂」など履歴を明示し、現場での混乱を防ぐ

最後に:テンプレートは“成果を再現する仕組み”である

テンプレートは、「良かった施策を保存するフォルダ」ではありません。

“再現可能な支援構造”を組織全体に広げる武器です。

だからこそ、

  • 実際に使われているか?
  • 本当に効いているか?
  • 誰にとって、どう役に立っているか?

──これらを定期的に見直し、アップデートしていく必要があります。
支援が仕組みになるか。属人化で終わるか。
それはテンプレートの“運用力”にかかっています。