背景|全国展開するチャネル構造と支援の必要性

大手化粧品製造販売のA社は、製品販売を代理店経由で行っており、全国に幅広い販売網を展開しています。多数の販売員が所属しており、その中には専門知識を持つ販売員も各地域で活躍しています。A社ではこれまでも、資料整備や集合研修を通じて、販売員の理解促進と提案力の向上に取り組んできました。製品の特長や価値訴求についても、一定の水準で全体に浸透しているとの社内評価を得ています。

しかし、支援の品質をさらに高めるには、単に情報を届けるだけでなく、「どの情報が、どこまで、どのように活用されているか」を正確に把握し、支援の効果を継続的に検証・改善できる仕組みが不可欠です。

代理店や管理者を経由する中継の過程では、伝え方や理解のされ方に微細な差が生まれ、販売現場での説明に齟齬が発生する場面も一部で見られました。A社ではこのような現象を、個別のミスや属人的な対応の問題ではなく、構造上の可視性の限界として捉え、さらなる支援レベルの向上に向けて、改善検討を開始しました。

課題の顕在化|コロナ禍で浮き彫りになった支援の見えづらさ

これまでA社では、製品説明会や販売員研修など、対面形式での支援を通じて販売現場との連携を深めてきました。しかし、2020年のコロナ禍により、集合施策の多くが実施困難となり、支援の手段はポータルサイト経由の情報発信へと移行しました。

発信自体は継続できたものの、それが現場で実際に活用されているかを本部が把握する手段はなく、支援の手応えが見えにくい状態が続いていました。特に、代理店や店長など中間層を経由する伝達では、情報の到達や理解にばらつきが生じ本部の意図が十分に伝わらない場面もありました。

さらに、ポータル運用にも限界がありました。「コンテンツの作成にはHTMLの知識が必要で、特定の担当者に作業が偏っていました。公開も手作業で、公開スケジュールの調整に配慮が必要だった」とA社の担当者は振り返ります。

課題の顕在化|コロナ禍で浮き彫りになった支援の見えづらさ

これまでA社では、製品説明会や販売員研修など、対面形式での支援を通じて販売現場との連携を深めてきました。しかし、2020年のコロナ禍により、集合施策の多くが実施困難となり、支援の手段はポータルサイト経由の情報発信へと移行しました。

発信自体は継続できたものの、それが現場で実際に活用されているかを本部が把握する手段はなく、支援の手応えが見えにくい状態が続いていました。特に、代理店や店長など中間層を経由する伝達では、情報の到達や理解にばらつきが生じ本部の意図が十分に伝わらない場面もありました。

さらに、ポータル運用にも限界がありました。

「コンテンツの作成にはHTMLの知識が必要で、特定の担当者に作業が偏っていました。公開も手作業で、公開スケジュールの調整に配慮が必要だった」とA社の担当者は振り返ります。

導入の経緯|全販売員への即時到達を実現する手段としてPRMONEの導入を決定

現場から「必要な情報を、もっとタイムリーに入手したい」という声が高まるなか、A社ではポータルを含めた情報伝達の仕組み全体の見直しが検討され始めました。

導入担当者はこう語ります。

コロナ禍で対面販売が難しくなる中、ポータルサイトの重要性はますます高まっていました。そこで刷新を検討していたところ、2023年末にSCSK MinoriソリューションズからPRMONEをご紹介いただいたのです

その後、提案を受けてPoC(概念実証)やワークショップを実施。既存の課題と運用上の懸念点を洗い出しながら、情報の即時性・到達率をどう高められるかを具体的に検証しました。

PRMONEは、情報提供にとどまらず、施策実行や代理店支援を一元的に管理できる点が評価され、2024年4月に正式採用されました。

導入効果|専門知識不要で全販売員へ一斉配信、属人化も解消

PRMONEの導入により、本部から全販売員への支援情報を従来よりも効率的かつ迅速に届けられる体制が整いました。

従来は情報発信が一部の担当者に集中しており、対応スピードに限界がありましたが、各部署が自ら登録・配信できるようになったことで、属人化が解消。予約公開や承認フローの自動化により、運用負荷も大幅に軽減されました。

PRMONEの柔軟なワークフローと予約公開機能により、発信作業の負荷が大きく軽減されました

また、UI設計においては年齢やITスキルの差を考慮し、既存業務の延長で操作できる画面設計を採用。誰でも迷わず使える操作性を重視したことで、切り替え時の混乱も最小限に抑えられました。

SCSK Minoriソリューションズは、現場の声を丁寧にくみ取ってくれました。導入時の混乱もほとんどありませんでした

現場の変化|「10伝えて5しか届かない」構造からの脱却

こうして整備された仕組みは、現場での情報伝達にも大きな変化をもたらしました。
従来は情報の伝達に遅れやばらつきがあり、発信内容が末端の販売員に十分届かないケースも見られました。

「従来は、中間管理者を介した伝達に依存していたため、情報の到達が遅れたり内容が一部で省略・改変されるケースがありました。結果として「10発信しても5しか伝わらない」状況が発生していました。

PRMONE導入後は、本部から全販売員へ一斉に同じ情報を即時に届けられる仕組みとなり、伝達の抜けや遅れが大幅に減少しました。その結果、本部の意図と現場の理解の齟齬が改善され、接客現場での活用度も向上しています。

本部からの発信が中間管理者を経由せず直接すべての販売員に行き届くようになったことで、伝達の抜けや遅れが大幅に減少しました。これにより、本部の意図と現場の理解との間にあった齟齬も改善され、支援の質が全体として向上しました。

さらに、販売員はスマートフォンをはじめとする様々な業務環境から情報を即時に参照できるようになり、接客や提案活動の現場で自発的な情報活用が進んでいます。

今後の展望行動|データに基づく、再現性ある施策改善へ

PRMONEの導入により、情報の即時性と到達性を確保したA社では、次のステップとして「支援の質」を高める取り組みが始まろうとしています。

これまでは紙のアンケートや口頭での報告が中心でしたが、今後は全販売員からリアルタイムに意見を収集できるようになります

こうした現場の声や行動データを、本社だけでなく各拠点でも共有・分析し、施策改善に活かしていく構想が進んでいます。今後は、地域ごとの特性や課題に応じた支援内容の見直しが、各エリア単位で主体的に行われることを目指しています。

PRMONEは、単なる情報配信ツールではなく、「現場の行動と声に基づいて支援を再設計するための基盤」として、次の段階に進もうとしています。支援を一方向で終わらせず、現場との循環のなかで継続的に進化させる仕組み──その実現に向けて、A社はすでに一歩を踏み出しています。

PRMONE 支援チーム
PRMONE 支援チーム
本記事は、代理店・販売パートナーとの協業に関する実務経験をもとに、PRMONEチームが執筆しています。 パートナービジネスにおける課題や業務の構造に関して、現場視点を交えながら、特定の製品に依存しない中立的な立場から整理・解説しています。 施策検討や業務設計のヒントとしてお役立ていただければ幸いです。