
SharePoint Designer ワークフロー資産を諦めない! Power Automate の限界と第三の選択肢 ― PRMONEで実現する“真の業務フロー再設計”
SPDワークフローの終焉と「取り残された業務ロジック」
SharePoint Designer(以下SPD)は、2000年代から2020年代初頭にかけて多くの企業で利用されてきた“ノンコードワークフローツール”です。
複雑な承認ルートや自動通知、状態遷移までをGUIで設計できることから、社内業務の自動化を最前線で支えた存在でした。
しかし、Microsoft は 2020 年に SPD の新規開発を終了し、2026 年には Workflow 2010/2013 ベースのワークフロー エンジンも完全にサポート対象外となります。
これにより、長年SPDで構築された「多段承認」「並列承認」「差戻し」「自動集計」などの業務ロジックが、Microsoft 365移行時に移せない資産となってしまいました。
現場では今、次のような声が聞かれます。
「Power Automateに変えたら、逆に承認経路が複雑になった」
「差戻しや再申請の処理ができず、業務が止まった」
「保守できる人が誰もいない」
この“見えない壁”こそ、SharePoint移行を停滞させる最大の要因の一つです。
SPDワークフローの構造的特徴と、Power Automate移行の困難性
SPDワークフローの強みは「業務ロジックをリスト内で完結できる設計思想」にありました。
トリガー、分岐、通知、承認、状態更新を一連の流れで制御でき、業務現場でも扱えるほど柔軟でした。
ところが、Power Automate はクラウドベースの別アーキテクチャであり、SPDのように“状態を保持しながら分岐する”設計ができません。
SPD機能 | Power Automateでの対応 | 主な課題 |
|---|---|---|
複数条件分岐(AND/OR混在) | 条件ブロックをネスト構成で再現 | 可読性が低く、保守困難 |
並列承認/合議承認 | 一部対応(Approval Actions) | 承認者数増で動作不安定 |
ステートマシン型WF | 非対応(再構築必須) | 再現不可能。業務ロジックの分断 |
外部API/通知連携 | Premiumコネクタで実現 | コスト上昇・複雑な権限設定 |
ログ/再実行制御 | 実行単位で記録 | 業務トレーサビリティが不十分 |
特に“ステートマシン(状態遷移)”をベースに設計された承認プロセスは、Power Automateでは一度実行したら戻れない構造となり、SPD時代のような差戻し・再承認ロジックを維持できません。
Power Automate では“移行”ではなく“再構築”が必要になる理由
① ワークフローの性質が根本的に異なる
SPDはShare Point 内部に定義されたサーバーサイドワークフローでしたが、Power Automateは外部クラウドサービス(Flow)です。
SharePointとの通信はAPIベースのトリガーであり、トランザクションを跨ぐ状態管理ができません。
② 複雑な承認ロジックは“フロー爆発”を引き起こす
複数条件+並列承認を Power Automate で実装すると、
10~20以上のブランチが生まれ、1つのフローの中でエラー発生時に全体が停止します。
再実行や再申請が難しく、実運用には不向きです。
③ コスト・パフォーマンスの不確実性
Power Automateは「フロー実行数」で課金されるため、
承認フローのように日次・週次で大量に動作する業務では、月額コストが予測不能になります。
④ 外部関係者とのワークフローが組めない
Power AutomateはM365テナント内のユーザーが前提。
代理店、販売パートナー、協力会社など社外承認を含む業務フローは設計不可能です。
PRMONEのワークフローエンジンが持つ優位性
PRMONEは、intra-martのBPMワークフローエンジンをベースに構築されたローコード業務基盤です。
intra-martは国内企業 3,000 社以上に導入され、「人が関与する業務プロセスの自動化」を得意としています。
比較項目 | Power Automate | PRMONE(intra-mart) |
実行構造 | ステートレス型(単発) | ステートマシン型(状態遷移) |
承認分岐 | ネスト構成で複雑化 | GUIで多段・条件分岐を視覚設計 |
並列承認/差戻し | 制限あり | 任意ステップへの戻し・再承認が可能 |
外部連携 | テナント依存 | REST/Webhookで他SaaS・API連携 |
社外承認 | ゲスト不可 | マルチテナント構造で外部承認対応 |
監査・可視化 | 実行ログ単位 | ステップ単位で監査証跡・再実行可 |
開発・保守 | PowerUser依存 | IT+業務協働で設計可能 |
PRMONEのワークフローは、SPDの操作感とPower Automateの拡張性を併せ持つ設計思想。
“戻れる・見える・統制できる”点が、最大の強みです。
SPDで組んでいた「状態遷移+承認+通知」構造を、PRMONEではGUI操作のみで再構築できます。
SPDからPRMONEへの再設計プロセス
PRMONEでのワークフロー再構築は「単なる移行」ではなく、業務ロジックの再設計プロジェクトとして進めます。
ステップ1:棚卸しと分類
既存SPDワークフローを抽出し、
- 単純承認(2段以下)
- 条件分岐あり
- 並列・合議承認
- 外部通知・API連携
に分類。
ステップ2:再設計の優先順位付け
再現困難なものからPRMONEに移行。
単純フローはPower Automateに残すことでコスト最適化。
ステップ3:PRMONE上でプロトタイプ化
BPMNライクなGUIで承認経路を定義。
条件、分岐、差戻し、通知、ステータス遷移を可視化。
ステップ4:外部連携・SSO統合
Azure ADと SSO 連携しつつ、外部パートナーを含めた安全な承認ポータルを構築。
ステップ5:全社展開・標準化
成功フローをテンプレート化し、
部門単位で展開。
→「業務ロジック資産」として再利用可能に。
Power Automate とのハイブリッド運用 ― “第三の選択肢”としての現実解
「全部PRMONEにする」必要はありません。
Power Automate とPRMONEを併用することで、
企業は“軽量な自動化”と“堅牢な業務フロー”を共存させられます。

このハイブリッド戦略により、
- Microsoft 365の標準化を維持しつつ、
- SPD時代の高度な業務フローを安全に再構築。
結果として、移行率の向上+運用コストの削減+監査性の強化を同時に実現します。
まとめ:ワークフローを「延命」ではなく「再生」する時代へ
SharePoint Designer の終焉は、単なるツールの問題ではありません。
それは、「業務ロジックをどう未来に継承するか」という企業経営の課題です。
Power Automateは優れたツールですが、すべての業務を担えるわけではありません。
SPDの複雑な条件分岐・状態遷移・外部連携といった“中間層業務”を再生するには、
PRMONE(intra-mart)のような業務プロセスプラットフォーム(BPM基盤)が必要です。

