
“止まっている代理店”は動くのか?──再エンゲージ対象を見極める3つの条件
スコアは低い。でも、関係はまだ残っている。
だから「切る」まではいかない。でも「動いてくれそうな気もしない」。
──このような“止まっている代理店”を、あなたのチャネルにも抱えていないでしょうか?
「最近ログインはないけれど、過去には売れていた」
「担当者が代わって、関係性は薄れたがまだ名刺はある」
「今は案件ゼロ。でも情報は届けている」
この“止まったままの代理店”を、再び動かすべきかどうか?
再エンゲージすべきか、そっと離れるべきか。
本稿では、「再支援すべき代理店」と「そっと見守るべき代理店」を見極めるための3つの条件を提示します。
再エンゲージ対象を見極める3つの条件
【条件①】「一度は動いた」実績があるか?
動かすための支援は、“ゼロをイチにする”より“止まったものを再起動する”方がコストが低い傾向があります。
しかし、そもそも一度も成果が出ていない代理店は、再エンゲージに値しない可能性もあります。
チェックポイント:
- 過去1年以内に案件登録 or 成約実績がある
- 教育を受けた/提案資料を使った記録がある
- 一度は定例会や面談に参加していた
→ 「一度でも火がついた」実績があることは、再点火できる可能性の証拠です。
【条件②】止まっている理由が“構造的”でないか?
「止まった理由」が、以下のような“一時的・外部的要因”なら、再エンゲージの見込みはあります:
- 担当者が変わった(=関係性を築き直せば回復の余地)
- タイミングが合わなかった(=新商品・キャンペーンで刺さる可能性)
- 本部資料が分かりづらかった(=改善後に再提示)
逆に、以下のような“構造的要因”で止まっている場合は慎重な判断が必要です:
- 自社商品と市場の親和性が低い
- 製品知識の継続学習ができない体制
- 案件化までの営業力が不足している
→「再支援すれば動く構造」かどうかが、エンゲージ判断の分水嶺です。
【条件③】“動き出しの兆し”が最近のデータに現れているか?
完全に無反応な代理店よりも、小さな兆しが見える代理店には投資の価値があります。
たとえば:
- メールの開封履歴がある
- 新しい資料だけはDLしている
- 教材の一部にアクセスがある
- 本部からの連絡に返信があった
→ “0ではない接点”は再接続のフックになります。
再エンゲージは、「無反応」ではなく「低反応」層から狙うべきです。
再エンゲージを判断するための簡易マトリクス
最近反応あり | 最近反応なし | |
---|---|---|
過去に成果あり | ★再エンゲージ最優先層(まず支援) | ★対象(きっかけ要設計) |
過去に成果なし | △状況確認(様子見) | × 優先度低(撤退候補) |
再エンゲージとは、「支援の再投資」ではなく「支援の再設計」である
再エンゲージ対象に必要なのは、
単に「もう一度教育しましょう」ではなく、再接続の導線を構造的に見直すことです。
- 過去と違うコンテンツ訴求
- 担当者の関心に合わせた情報再提供
- 少しだけ“成果が見える”アクション例の提示(例:1分動画/ひな形提供)
→ “今動かない理由”に仮説を立てて、新しい動線を用意することがカギです。
最後に:「動かない代理店」と「動く気配がある代理店」を見誤らない
スコアだけで「低いから支援対象外」と決めてしまうのは、まだ早計です。
重要なのは、その静止状態に“動く余地”があるかどうかを見極める視点です。
そしてもう一つ。
「再エンゲージする/しない」の判断は、関係性を切るかどうかではなく、“支援リソースをどこに集中するか”という戦略の問題でもあります。
止まっている代理店。
──それは、ただ眠っているだけかもしれません。
あなたの支援によって、再び動き出す可能性のあるパートナーを、
“見誤らずに見つける”ことから、チャネルの最適化は始まります。